PROJECT
2015年ネパール・ゴルカ地震 (Mw 7.8)
2015年4月25日に発生したネパール・ゴルカ地震(Mw7.8)は,インド-オーストラリアプレートとユーラシアプレートの境界で発生した逆断層型の地震である.ゴルカ地震の震源断層の形状を明らかにすることは,衝突帯のテクトニクスを理解する上で重要である.そこで,2015年以降,トリブバン大学,ネパール科学技術院,山形大学との共同研究を進めている.2018年は,カトマンズ周辺地域における稠密余震観測計画を進めるとともに,2016年度にゴルカ地震余震域の中央部から最大余震の震源を含む余震域東部にかけての地域に設置した69カ所の観測点と余震域西部に位置する本震の震源近傍に設置した11カ所の観測点で取得したデータの解析を進めた.各観測点で取得した約2ヶ月間の連続波形記録に,STA/LTAトリガー方式によるイベント検出を実施したところ,872個のイベントが検出できた.これらイベントデータに対してP波・S波の手動検測を行った.得られた走時データに対して,hypomh (Hirata and Matsu‘ura, 1987)による震源決定を実施し,震源の深さ及び水平位置の誤差が0.5km以内となった795イベントを抽出した後,連携震源決定法(Kissling et al., 1994)を用いて,震源再決定を行った.得られた余震分布図からは,主に5-15㎞の深さで余震が発生し,特に余震域東端で,余震活動が活発なっている特徴が確認できる.今後,トモグラフィー解析を実施し,詳細な余震分布や震源域の地震波速度構造を明らかにする予定である.