PROJECT
超稠密地震観測による内陸地震発生場の特徴
科研費新学術領域「地殻ダイナミクス」プロジェクトの一環として実施された2000年鳥取県西部地震の震源域における稠密地震観測網(約1000点)で取得したデータの解析を進めた.再決定された震源分布から,2000年鳥取県西部地震の震源付近を境にして,本震の断層面の形状がやや湾曲することが明らかになった.また,震源域北西部では,本震の断層面とほぼ直交する東北東‐西南西走向の複数の面状の震源分布が得られた.これらは,本震の断層面と共役関係にあると考えられる.地震波走時トモグラフィー解析によると,震源域北西部において東北東‐西南西の走向を持つ顕著な速度構造境界が深さ2~5㎞に存在しており,北西部は南東部に比べて低速度を示すことがわかった.この速度構造境界を境にして北西側では前述の共役断層系が発達しており,地下構造と地震活動の分布に関連性があることが示唆される.