研究活動

RESEARCH ACTIVITIES

RESEARCHERS GROUP

活断層-震源断層システム

グループメンバー

教授
佐藤 比呂志(構造地質学)
助教
石山 達也(変動地形学)
特任助教
橋間 昭徳(ジオダイナミクス)
特任研究員
加藤 直子、大塚 浩二、Anne Van Horne, Johan S. Claringbould
大学院生
池口直毅(D3)

沈み込み帯の上盤側プレート内部で発生する地震の長期評価や発生メカニズムを理解するには,地震発生層底部から地球表面に至る一つのシステムとして活断層-震源断層を理解しなければならない.当センターでは地殻スケールから極浅層に至る反射法地震探査による活断層の地下構造の解明に主眼をおいた研究を,全国の研究者と共同で進めている.2018年度には受託研究「日本海地震・津波調査プロジェクト」,「富士川河口断層帯の重点的調査観測」,「断層帯深部形状の評価に関する活断層調査研究」,「地震および火山噴火予知のための観測研究計画」の一環として,北海道の函館平野西縁断層帯・増毛山地東縁断層帯や,駿河トラフ、中央構造線断層帯,糸魚川-静岡構造線断層帯において,大深度地殻構造探査および高分解能の中深度・浅層・極浅層反射法地震探査を実施した.これらの観測データの解析を行い,断層の浅部〜深部形状を明らかにしつつある.

2017年度に開始した「富士川河口断層帯の重点的調査観測」では,国内最大級の活断層でありながらその形状等構造の実態が不明であった本断層帯にて、独立型収録器の多点固定展開と複数台の中型バイブロサイス型震源を用いた高エネルギー・高分解能反射法地震探査を行い,活断層の下のプレート境界先端部の覆瓦スラスト構造を初めて明らかにした.

また,全国規模での日本列島の震源断層のモデル化を特定共同利用や上記のプロジェクトなど様々な枠組みを通じて、2010年から防災科研・JAMSTEC・岩手大・横浜国大・新潟大・京都大・信州大・岡山大などの全国の研究者と共同で,地質・変動地形・重力異常や地震活動・地震波速度構造、岩石モデル等に基づいた総合的な日本列島の震源断層のコミュニティ・モデルを構築するプロジェクトを進めている.

さらに、2011年東北太平洋沖地震を契機として、上盤側プレート内に分布する活断層-震源断層システムで発生する地震をプレート間相互作用の文脈で理解するために、島弧ーリソスフェアダイナミクスの研究を開始した。数値計算・地球物理・地震観測とともに、変動地形・構造地質・第四紀地質・岩石学など多岐にわたるデータを取り入れ、国内外の研究者との共同研究として、困難な課題に取り組んでいる.

このほか、所内研究者とも共同でニュージーランド北島での構造探査や、2016年ネパール・ゴルカ地震震源域の稠密地震観測など、国内外で機動的な調査観測を行っている。

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